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【皮膚科医監修】赤ニキビの原因と治療法について解説【治療薬・市販薬を紹介】

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監修:竹内想 先生
皮膚科医
座右の銘 不撓不屈

くり返しできるニキビ。 10代の頃はできなかったのに、大人になってから顔のまわりによくできたりしませんか。 「ニキビで受診する必要がある?」 「市販薬でも治せる?」 このような悩みに本記事では赤ニキビができる原因について、また皮膚科を受診した場合の治療法や市販薬について解説していきます。 くり返しできるニキビに悩んでいる方や皮膚科への受診を考えている方はぜひ、参考にして見てください。

この記事の内容
  • ✓赤ニキビができる原因
  • ✓皮膚科で処方される代表的な薬
  • ✓薬局で買える市販薬
  • ✓まとめ

赤ニキビができる原因

ニキビは皮脂の分泌が多く、毛穴に皮脂がたまり詰まることで起こります。
思春期の頃にできるニキビは成長期とともに急激に増えた皮脂が毛穴に詰まり、アクネ菌が増殖したことによるものです。
一方、思春期を過ぎてからの大人ニキビの原因は生活習慣や睡眠不足、過度のストレス、喫煙、間違ったスキンケアなどが要因でさまざまなことが関わり合うことで起こりやすくなります。

ニキビには段階があり、炎症が進むにつれて「白ニキビ」→「黒ニキビ」→「赤ニキビ」→「黄ニキビ」と変化していきます。
毛穴が詰まった状態の「白ニキビ」や毛穴が開き皮脂が酸化した状態の「黒ニキビ」であれば炎症は起きていません。
皮膚がぷくっとした状態の「白ニキビ」や「黒ニキビ」を「面皰(めんぽう)」と呼び、はっきりとしたまだニキビの状態ではないものを「微小面皰」と呼びます。
この「面皰」がアクネ菌の増殖により炎症を引き起こすと赤く腫れた「赤ニキビ」となり、さらに炎症が進むと黄色い膿が見えるようになり、「黄ニキビ」へと変わっていきます。

そもそも「アクネ菌」は常在菌で誰の肌にも存在しているものです。
皮脂が過剰に分泌され、皮脂が毛穴に詰まると「アクネ菌」が皮脂をエサにして繁殖するために炎症を引き起こし、「赤ニキビ」の原因となります。
「赤ニキビ」ではまず、炎症を鎮めること大切になってきます。
放置したり、自己判断でつぶしたりすることでさらに悪化したり、ニキビ痕が残ったりする可能性があります。

皮膚科で処方される代表的な薬

「ニキビができたときに皮膚科に受診する必要がある?」「皮膚科を受診した場合どんな治療法なの?」などと思う方もいらっしゃるでしょう。

皮膚科を受診するメリットと治療法について見ていきます。

皮膚科を受診するメリット

ニキビの治療で大事になってくることはニキビができ始めに治療して、ニキビをできにくくすることです。
ニキビと一口に言っても一人ひとりの肌質や症状が異なります。
皮膚科を受診するメリットは一人ひとりに合った治療を受けることできるという点や市販薬とは異なる成分の薬を処方してもらえる点です。
炎症が起きている赤ニキビや黄ニキビの状態であれば早めに受診することをおすすめします。
ニキビが治まった後のニキビ痕を残さないためにも、初期の段階での早期治療は重要になってきます。

ニキビの治療には大きく分けて2つあり、炎症を鎮めることと毛穴の詰まりをなくすことです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

炎症を鎮める

ニキビの炎症を鎮めるための治療薬として「過酸化ベンゾイル(成分名)」があります。
製品名は『べピオ』と言い、2つの作用があります。
1つめはアクネ菌などの細菌類を殺菌・除去する効果があること、2つめの作用として角質をはがし、毛穴の詰まりを改善すること(ピーリング作用)です。
炎症のある赤ニキビだけではなく、微小面皰や白ニキビ、黒ニキビにも効果があり早期のニキビ治療に有効で、継続して使用することで新しいニキビができにくくなります。
この薬はどの年代の方でも使用可能で、思春期にできるニキビや大人ニキビ両方に効果があります。

毛穴の詰まりをなくす

ニキビの進行を防ぐ治療薬として「アダパレン(成分名)」があります。
製品名は『ディフェリンゲル』です。
毛穴の詰まりをなくしたり、ニキビができにくい肌質を維持したりする効果があります。
また、初期の段階で使用することで赤ニキビを減らし、進行を防ぐことができます。
副作用として、皮膚に赤みが出たりやカサカサになったりすると言われていますが、使用しているうちに慣れてきて症状も改善されていくことが多いです。
この薬は妊娠中の方や授乳中の方、12歳未満の方は使用できません。
上述した「過酸化ベンゾイル」と「アダパレン」が一緒になった薬として『エピデュオ』があり、1つの薬で2種類の効果を発揮します。
このほかにも「硫黄」を主成分とした『イオウカンフルローション』があり、毛穴の詰まりを減らす作用があります。

抗生物質

「抗生剤」はニキビに限らず、感染症の治療に使われます。
赤ニキビや黄ニキビの炎症が強い場合には「抗生物質」を使って治療し、アクネ菌を殺菌したり増殖を抑えたりします。
「過酸化ベンゾイル」や「アダパレン」は微小面皰や面皰などの症状が軽い場合に使われますが、「抗生物質」と併用して使うこともありニキビの症状が改善した後にも継続的に使われたりもします。

「抗生物質」にはぬり薬と飲み薬があります。

ぬり薬

ぬり薬には「クリンダマイシン(製品名はダラシン)」と「ナジフロキサシン(製品名はアクアチム)」があります。その他、「オゼノキサシン(製品名はゼビアックス)」も用いられます。
ニキビの根本的な原因であるアクネ菌に対しての殺菌作用があり、ぬることで症状の改善に効果があります。
ローションやクリーム、ゲルなどさまざまなタイプがあります。

飲み薬

飲み薬の成分名には「ミノマイシン」、「ルリッド」、「クラリス」、「クラリシッド」などがあり、炎症を起こしているアクネ菌を殺菌する効果があり、ぬり薬と併用することでより高い効果が期待できます。
飲み薬は全身に作用するためさまざまな副作用が起きる場合があり、慎重に使用する必要があります。
また、抗生物質を長期服用することで「抗生物質」の効かない菌の耐性菌ができてしまったり、胃腸が荒れたりすることがあり、その場合には漢方薬に切り替えることもあります。

漢方薬

「漢方薬」の治療はニキビの炎症具合やできやすい部位、ニキビの色(種類)などから判断して処方します。
一人ひとりに合った漢方を処方することでニキビができにくい体質に改善することを目的としています。
ニキビの治療として使用される主な漢方薬には以下のものがあります。
・十味敗毒湯
・清上防風湯
・桂枝茯苓丸
・当帰芍薬散

薬局で買える市販薬

症状が軽い場合に自分で治したい方や受診する時間がない方に薬局で買える市販薬を5つご紹介します。

『イハダ アクネキュアクリーム』

・抗炎症成分「イブプロフェンピコノール」と殺菌成分「イソプロピルメチルフェノール」の2つの有効成分が配合されており、アクネ菌などを殺菌し炎症を鎮めます。
・ノンステロイドで肌にやさしい弱酸性

『メンソレータム アクネス ニキビ治療薬』

・「硫黄」が角質をやわらかくし、毛穴に詰まった皮脂や汚れを吸収。殺菌成分「レゾルシン」がアクネ菌などを殺菌します。
・赤いニキビや痛いニキビにも効果的

『マキロン アクネージュ メディカルクリーム』

殺菌成分「ベンゼトニウム塩化物」、抗炎症成分「イブプロフェンピコノール」、血行促進成分「トコフェロール酢酸エステル」の3つの成分が配合され、しつこいニキビの炎症を抑えしっかり殺菌します。
・肌にやさしい弱酸性

『テラ・コートリル軟膏』

炎症作用「ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)」とグラム陽性菌、陰性菌などに広い抗菌力がある「オキシテトラサイクリン塩酸塩」が配合されていて、炎症を起こしている赤ニキビ、黄ニキビに有効。
ただし長期間使うとかえってニキビが悪化することがあるため、少し使って治りが悪いようなら皮膚科を受診しましょう。

『オロナインH軟膏』

殺菌消毒剤「クロルヘキシジン」が配合されており、患部を消毒し化膿を防ぎます。乾燥肌を改善する効果と毛穴の詰まりを予防します。

まとめ

ニキビの原因と治療薬について解説してきました。
ニキビの初期段階であれば市販薬での治療で改善する場合もありますが、悪化してからであればニキビ痕ができる可能性があり、その後の治療には時間的にも経済的にも負担となります。
早期に治療が大切で、ニキビは治りにくいため長期的な治療が必要になってきます。
現在、皮膚科を受診している方は自己判断で治療をやめたりせずに薬の用法・用量を守って適切に対処していくことが大切です。
また、スキンケアだけはなく生活習慣を見直して内側からの改善、ニキビができにくくしていくこともニキビ予防になっていきます。

今回の記事がニキビの改善や治療に役立てていただけたら幸いです。

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※全ての方にアレルギーが起こらないということではありません。
※全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません。

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