皮膚科医
座右の銘 不撓不屈
脂性肌(オイリー肌)は赤ニキビや吹き出物の肌トラブルを起こしやすいといった特徴があります。赤ニキビを治し、できにくい肌にするためにも、脂性肌の特徴、原因、改善方法、スキンケアなどを紹介します。
- ✓脂性肌(オイリー肌)の特徴は?
- ✓脂性肌(オイリー肌)の原因とは?
- ✓脂性肌(オイリー肌)の洗顔・スキンケア・メイクの対策方法は?
- ✓脂性肌(オイリー肌)を改善する生活習慣とは?
- ✓脂性肌(オイリー肌)のやっちゃダメな行動ってあるの?
- ✓まとめ
脂性肌(オイリー肌)の特徴は?
脂性肌の特徴は乾燥肌の対極にあり、水分量、皮脂量とも多いです。「皮脂量がどれだけ多ければ脂性肌」という指標はありませんが、テカりやベタつきが起こりやすい特徴があります。
外的刺激は強く丈夫な肌ですが、メイクが崩れやすく、毛穴の開き、詰まり、黒ずみが気になりがちに。また、赤ニキビや吹き出物のトラブルを起こしやすいという特徴もあります。
脂性肌(オイリー肌)の原因とは?
脂性肌(オイリー肌)は遺伝的な要因が強いということが一説ではあります。
しかし、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れ(睡眠不足、食生活)、ストレスやスキンケアの方法なども原因になります。
ホルモンバランスの乱れ
皮脂の分泌量には、ホルモンバランスが深く関係しています。男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンの1種であるプロゲステロンが増加すると、皮脂の分泌が促されて過剰になり、脂性肌へと傾いてしまいます。
テストステロンは思春期に、プロゲステロンは生理前に多く分泌されると言われています。思春期や生理の前後でニキビが悪化する方が多いのは、こうしたホルモンが原因と言われています。また、生活習慣の乱れやストレスなどはホルモンバランスを乱れさせ、影響を受け脂性肌の一因となります
偏った食生活
脂肪分をたっぷり含んだ肉類や油であげたスナック菓子やファストフードなどを頻繁に食べていると余分な脂質が中性脂肪になり、皮脂の原料となります。その結果、皮脂の分泌が多くなります。
また、意外と見落としがちなのが糖質です。体は血糖値が急にあがると、血糖を降下させるホルモンである「インスリン」を分泌します。分泌されたインスリンが皮脂腺を刺激して、皮脂の分泌を促進させます。ケーキなどの甘いもの、白米やパンばかりの主食ばかり食べている人は要注意です。
睡眠不足
睡眠が十分に取れないと、肌のターンオーバーのサイクルが乱れます。その結果、バリア機能が低下します。また、皮脂分泌のリズムが乱れ、皮脂分泌量が増えて毛穴が詰まりやすくなってしまいます。
ストレス
リラックスできない状態が続き、交感神経が優位になると、男性ホルモンが多くなります。ストレスは男性ホルモンを過剰に分泌させ、皮脂が多くなってしまいます。
スキンケアの方法
上記に該当せず健康的に生活していても、テカリやベタつきが気になる場合は、間違ったスキンケアが原因で皮脂が過剰に分泌され、脂性肌に傾いてしまうこともあります。
自分が脂性肌だと認識している場合、皮脂をしっかりと洗い流したり、拭き取り化粧水(あぶらとり紙)で皮脂をしっかり拭き取ったりしている人が多いと思います。
しかし、皮脂を取りすぎるとかえって過剰に分泌されることもあります。皮脂には肌を守るバリア機能もあるため、過剰に皮脂が取り除かれることにより、さらに皮脂を分泌させてしまうことになります。
脂性肌(オイリー肌)の洗顔・スキンケア・メイクの対策方法は?
では、どんなふうに洗顔・スキンケア・メイクをしていったらよいのでしょうか?
洗顔を見直す
皮脂が気になるからといってゴシゴシ洗うと、余計に皮脂が分泌して悪循環です。洗顔は優しく丁寧に行いましょう。32℃程度のぬるま湯を使い、洗顔料をよく泡立ててから泡をクッションにして、肌をこすらず優しく洗いましょう。
ポイントは皮脂量の多いTゾーン(おでこから鼻筋にかけての部分)から泡を乗せること。そうすることで、肌をこすらなくても皮脂が適度に吸着され、テカリやベタつきを抑えてくれます。
保湿する
皮脂の分泌=保湿ではありません。水分はきちんと補給する必要がありますので、洗顔後は必ず保湿をしてください。
水分を十分に与えると、皮脂とのバランスが取れて肌の赤みや赤ニキビなどの肌トラブルの予防になります。
脂性肌の人でも皮脂膜が形成されるまで2~3時間はかかるので、水分が蒸発しないように化粧水の重ね付け、ローションパックや少量の乳液・クリームなどを使うと良いです。
脂性肌は元々、丈夫であることが特徴です。スキンケアを正しく行うことで、若々しい肌を保ちましょう。
脂性肌向けの化粧下地を使う
ベースメイクの際、脂性肌向けの化粧下地を使うと良いです。仕上がりがマットすぎる下地はかえって皮脂分泌を促してしまいますが、保湿力もあり、みずみずしい下地を使うのが良いです。
下地を塗った後はファンデーションをごく薄く塗り、厚塗りはさけましょう。仕上げにフェイスパウダーを使って、肌表面をサラサラに仕上げるのがポイントです。
脂性肌(オイリー肌)を改善する生活習慣とは?
食生活
脂質や糖質を取りすぎないようにしましょう。
積極的にビタミン類、亜鉛や食物繊維などを摂りましょう。
睡眠をしっかりとる
寝不足は美肌の大敵です。睡眠時間が不足するとホルモンバランスが乱れて皮脂分泌量が増えます。毎日十分な睡眠をとるために、規則正しい生活を心がけましょう。
週の半分でも日付が変わらないうちに寝ることが大事です。睡眠時間も個人差があり一概には言えませんが6時間ほど取ることが良いとされています。
ストレスを発散させる
ストレスは皮脂の分泌を過剰にさせます。そのため、ストレスを発散し解消させるのは大事なことです。
すべての人におすすめのストレス解消法は「睡眠」です。とはいっても、解消は人それぞれなので、趣味や運動で楽しくストレスを発散し解消することがおすすめです。
脂性肌(オイリー肌)のやっちゃダメな行動ってあるの?
あぶらとり紙を使う
あぶらとり紙は皮脂を吸着しすぎてしまうため、乾燥を招くことがあります。乾燥すると余計に皮脂が分泌されてしまい悪循環となります。テカりが気になったときはティッシュを当てる程度にしましょう。
油分の多い化粧品やメイク用品を使う
脂性肌の場合、油分が多い化粧品やメイク用品を使うと、肌の赤みや赤ニキビなどの原因になることがあります。クリームやオイルの使用は控えたほうが良いです。
リキッドファンデーションやクリームファンデーションなどは比較的油分が多いので、使用する場合はごく薄く塗る程度にしましょう。油分が少ないパウダーファンデーションを使用することをおすすめします。
まとめ
脂性肌(オイリー肌)になるとテカリやベタつきが気になって過剰に洗顔したり、あぶらとり紙でごしごし拭いてしまったりとしてしまいがちですよね。しかし、その結果、余計に皮脂が分泌されて、赤ニキビや赤みなど肌のトラブルになってしまいます。
脂性肌(オイリー肌)は遺伝的要素が大きいとはいえ、日々の生活習慣、食生活、洗顔方法などである程度改善できると言われています。
健やかなお肌のためにもまずは、脂性肌の改善をやれるとこからやっていきましょう。
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