
この記事を監修してくれた専門家
中医学講師
楊 暁波 先生
ニキビ(にきび、尋常性ざ瘡)のメカニズム:西洋医学の考え方
ホルモンバランスや生活習慣の乱れなどが原因で、皮脂が過剰に分泌されると、死んだ皮膚の細胞(角質)、汚れなどと組み合わさって毛穴の詰まりを引き起こし、白ニキビ/黒ニキビができてしまいます。
そして毛穴の中にたまった皮脂をエサにアクネ菌などの細菌が増殖すると、赤く炎症した赤ニキビになってしまいます。
さらに傷に黄色ブドウ球菌が入ると黄色く化膿した黄ニキビになってしまいます。
ニキビのメカニズム:漢方の考え方
中医学(中国の漢方理論)では、人間を内臓や臓器、器官のような部位の集まりとしてみるのではなく、それぞれが互いに関係し合い、まとまりをもった個体と考えます。
中医学では「肌は内臓を映す鏡」と見て、ニキビは何かの臓器が弱っているというシグナルであると考えます。
思春期ニキビ
中医学の基礎理論である「陰陽学説」では、自然界に存在するすべての物質は陰と陽いずれかに分類され、バランスをとって成立していると説いています。このバランスが崩れ、「陽」が強くなると、体内に熱がこもり「陽盛(ようせい)」と呼ばれる状態になります。
心身の発育する思春期は、体中の気が満ち溢れて熱がこもりやすい「陽盛」状態にあるため、ニキビが発生しやすくなると考えます。
大人ニキビ
中医学では、大人ニキビは体内にこもった熱が原因だと考えます。
月経周期は低温期と高温期に分けられますが、高温期は体内に熱がこもりやすい状態になるため、ニキビが悪化しやすくなります。
大人ニキビ対策において、月経周期に合わせて健康管理することが必要不可欠です。 便秘になりがちな高温期には、清熱(せいねつ:熱を冷ますこと)が重要です。一方、疲れやすく体が冷えがちな低温期には体をリラックスさせ、温め、潤し、滋養することをお勧めします。
4タイプ別ニキビからわかるアナタの体質は?
中医学ではニキビの発生する部位や、ニキビの色・特徴によって、ニキビを4つのタイプに分けます。そして、ニキビのタイプによって、熱のこもっている体内の部位や、トラブルの内容を判断し、処方内容を決定していきます。
白ニキビタイプ
- ・額と眉間にでやすい
- ・悪化はしないが2~3週間以上治らない
- ・白く小さいが数は多い
- ・口が乾きやすい
- ・辛いものや煙の刺激で咳がでやすい
白ニキビタイプは、呼吸器系統がデリケートで、刺激物で咳が出たり、のどや鼻が巻子したりしやすい人に見られがちです。中医学では、白ニキビタイプは皮膚に熱がこもっていること(肺熱風熱)が原因だと考え、それを発散させる食べ物や漢方を使います。
赤ニキビタイプ
- ・こめかみから耳の前にでやすい
- ・赤くぶつぶつのニキビが出やすい
- ・生理前後に特にでやすい
- ・イライラしてストレスがたまりやすい
- ・目が疲れやすく、充血しやすい
中医学では、赤ニキビは血熱(体の中に熱がこもり、血が熱を持った状態)が原因だと考えます。
血熱は食生活やストレスが原因の一つとされています。現代の日本人は心身ともにバランスを崩しやすい環境にあるため、血熱になりやすい状態と言えるでしょう。
血熱傾向になると、ほてり・のぼせ・発熱といった熱の症状や、赤みのある肌荒れ・ニキビ・吹出物・目の充血・イライラ・便秘・生理不順といった血の症状が現れ、さらに血熱は赤みのある発疹・紫斑(ししん)・出血などを引き起こす原因にもなります。
これらの症状に対しては、何にも増して血熱を冷ますことが肝要です。血熱を冷まし、便秘を解消することで、これまでの対処ではなかなか解決できなかった症状を自然な健康状態へと導くことができます。
血熱による諸症状を改善する生薬:地黄、牡丹皮、芍薬など
黄ニキビタイプ
- ・フェイスラインに沿ってでやすい
- ・黄色く化膿したニキビがでやすい
- ・肌質はオイリーぎみで、ニキビの跡が残りやすい
- ・脂っこいものが好き
- ・便秘になりやすい
黄色いニキビは、白ニキビや赤ニキビが悪化し化膿したもので、便秘を併発することもしばしばあります。皮膚や血、そして胃の熱をとりつつ、重度の炎症や感染症を引き起こす「毒」を追い出す清熱解毒薬を使います。
紫ニキビタイプ
- ・口のまわりや、あごから首、胸や背中にでやすい
- ・芯がある紫色のゴリゴリニキビがでやすい
- ・経血塊が混じることがある
- ・舌が紫色
- ・婦人病の心配がある
紫ニキビは血の巡りが悪い人に良く見られます。月経血にレバーのような塊が混じる人が多いです。この場合は、熱と毒を取り除くだけでなく、不要な水(痰湿)を取り除き、血流をよくする漢方を使います。またこのタイプはホルモンバランスを崩し、婦人科系に問題を抱えている人が多いため、そちらの対策も必要です
ニキビにおすすめの食べ物は?
ニキビ対策には、熱毒(ねつどく)を取る食べ物や、血行を良くする食べ物がお勧めです。
熱毒を取る食べ物:トマト、キュウリ、小松菜、レンコン、大根
熱毒を取る飲み物:緑茶、ジャスミン茶
血行を良くする食べ物:玉ねぎ
お勧めのレシピ:卵とトマトのスープ、玉ねぎも入ったミネストローネ
ニキビの時に控えた方が良い食べ物
中医学ではコーヒー・甘いもの、脂っこいもの、辛いものなどの過食は胃腸にダメージを与えて熱を生む原因になると考えます。そのため、ニキビがある時はこれらの食べ物はできるだけ控えることをお勧めします。
なかなか治らないニキビには、中医美容の内面・外面・養生の三本柱でアプローチすることがおススメです。外からだけではなく、内面からもアプローチすることで、美肌と今よりも健康な体を手にいれましょう。
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ポイント①ファージと菌バランス
バクテリオファージはお肌のパトロール役。
彼らの役割は『菌バランスを整えること』。増えすぎてしまった悪玉菌を見つけると、そこに直接作用。正常な菌バランスに戻してくれます。
そんなバクテリオファージを日本で初めてアクネケアに活用したのが『イスクラファージ』です。
※無着色、無香料、アルコールフリー、ノンオイル
ポイント②菌バランスに配慮したやさしい植物処方
ニキビの原因となる皮脂や汚れを落とすにはていねいに顔を洗うことが大切。
しかし、洗いすぎると必要な皮脂や水分まで落として、肌の菌バランスが崩れる原因になってしまいます。
植物由来のせっけん素地を利用したイスクラファージ Skin Balance洗顔料は、余分な皮脂や汚れをやさしく落としつつ、キンセンカエキスなどの保湿エキスにより潤いをチャージ。
ニキビのできにくい肌へと導きます。
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